JRジャヤワルダナさんの物語 〜もうひとつのJR〜

スリランカの元大統領、JRジャヤワルダナ(Junius Richard Jayewardene)さんの幼少期や学生時代、家族の話、仏教へ改宗した話などを知ることができます。現地取材や伝記を翻訳した情報など、日本で最もジャヤワルダナさんの情報を知ることができるサイトを目指しています!

【バワ建築】大阪万博セイロン館・ナンバー・イレブン

④【大阪万博セイロン館(Caylon Pavilion)】

日本とジェフリー・バワ、そして日本とスリランカをつなぐ場所は実は日本にも存在しているんです。

 

日本人の誰もが知る1970年に開かれた大阪万博

そのセイロン館(当時のスリランカ)の設計者は実はジェフリー・バワでした。

建設は国会議事堂と同じく三井建設。

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引用元:HELL'S NOTE EXPO '70 セイロン館

写真左側に写っているオブジェは「ボーディ・ツリー(菩提樹」を表していて、スリランカを代表する有名な彫刻家ラキ・セナナヤケ氏によって造られました。

 

当時、他のパビリオンは人だかりで大行列だったけれど、セイロン館とかカナダ館は空いていたようです(笑)




⑤【ナンバー・イレブン(Number11)】

コロンボ市内の閑静な高級住宅街に、ジェフリー・バワ氏が余生を過ごした自宅兼オフィスである「ナンバー11」があります。

 

1959年にバワ氏がこの場所を購入した当時は、4軒が連なった長屋状の住宅でしたが、彼が3軒の住宅を買い増して行き、現在の形になっています。

内と外の境界がない開放感溢れる吹き抜けからは、やさしい光と心地よい風を感じられ、 ここが室内であることを一瞬忘れてしまう不思議な空間です。

 

現在一般公開されており、当時の面影を残す建物内部の見学や、部屋数は少ないが宿泊も可能。

特に、2階ゲストルームであるリビングには、先ほど紹介した大阪万博セイロン館のオブジェとなった菩提樹のミニチュア版が飾ってあり、現在では見ることができない万博の面影をここでも感じることができるのかもしれません。

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引用元:SriLankan Holidays

 

見学には予約が必要ですが、1時間ほどの見学ツアーに参加することもでき、バワトラストというバワ建築を管理する企業のスタッフが同行し、バワの生涯や建築について学ぶことができます。



Informationインフォメーション

[アクセス]コロンボ市内

[料金]見学ツアー:10:00、12:00、14:00、16:00

ツアー料金:Rs1000(2014年8月現在)

予約はこちらから

 →→→Geoffrey Bawa

Google Map]

 

参考文献

ameblo.jp

ジェフリー・バワが過ごした自宅 「Number(ナンバー)11」 | SriLankan Holidays

HELL'S NOTE EXPO '70 セイロン館

  

【バワ建築】シーマ・マラカヤ寺院(Seema Marakaya Temple)

③【シーマ・マラカヤ寺院(Seema Marakaya Temple)】

1977年、スリランカがJ.R.Jayewardeneさんが率いる新政権を選出した年に、バワ氏はベイラ湖にこのシーマ・マラカヤ寺院を建設しました。

 

ジェフリー・バワの手掛ける建築はホテルが多く、デザイナーとして知られているため仏教寺院は珍しく、人気の観光スポットになっています。

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引用元:トリップアドバイザー

 

そして実はこの場所も、日本にとってとてもゆかりのある場所なんです。

世界中に大きな衝撃を与えた東日本大震災。多くの被災者が出る大惨事となりました。そんなときにここシーラ・マラカヤ寺院では、日本のために祈りの会を行い被災者への祈りと復興の願いをしてくれていたのです。

その時には寺院の中に日本の国旗が数多く掲げられており、非常に胸が熱くなる光景だったそうです。

 

そんな素敵な心を持つスリランカの人々の温かさに触れることのできる場所でもあるんですね。日本人として一度は訪れておかなければいけない場所だと思います。




Informationインフォメーション

[アクセス]コロンボフォート駅から101番のバスに乗り、ガンガラーマ寺院(Gangarama Temple)で降りてすぐ。タクシーで3km。

[料金]無料

Google Map]

 

 

参考文献

theculturetrip.com

スリランカに来たら外せない!コロンボの有名寺院めぐり|海外現地オプショナルツアーのタビタツ

 

【バワ建築】ジャヤワルダナハウス(Jayewardene house)

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引用元:The Jayewardene House | Sebastian Posingis

 

②【ジャヤワルダナハウス(Jayewardene house)】

コロンボの南東約150kmの小さな沿岸の町”ミリッサ(Mirissa)”の北の郊外にひっそりと存在するレッドクリフ(Red Cliffs)」

この場所はJRさんの故郷でもあります。

 

1997年、J.R.Jayewardeneさんの孫にあたるPradeep Jayewardene氏がジェフリー・バワ氏に依頼し、10年前火事で失ったバンガローの代わりに、ジャヤワルダナ家のためのプライベート休暇用に設計されたものでした。

 

 

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引用元:www.reddottours.com

 

1階のオープンサイドにはリビング・ダイニングスペースがあり、東海岸を形成する崖の上からWeligama Bayを見下ろすことができ、リラックスしてインド洋の息を呑むような景色を楽しむことができます。

リビングエリアの上下に3つのベッドルームがあり、スイミングプールと静かなビーチもあります。

 

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引用元:www.reddottours.com

 

バワ氏のキャリアの後半に作られたこの家は1998年に完成し、その優雅さと明快さは、40年にわたり絶え間なく進歩してきたバワ氏の建築家としての集大成と言えるでしょう。

 

 

このホテルは宿泊可能で、最大8名まで泊まることができるようです。

料金は高めですが、日本のどこのガイドブックにも載っていない秘境のリゾート宿泊施設!

インド洋を拝みながらベッドソファでリラックし、読書なんていう優雅な一日を過ごしてみてはいかがでしょうか?
今年のGWにここに一緒に泊まってくれる方絶賛募集中です(笑)

8人でシェアしましょう!笑

 

 

Informationインフォメーション

[アクセス]ゴールから車で1時間

[料金]ホームページ要確認

予約はこちらから

Google Map]アドレスColombo-Galle Highway, Mirissa, Southern Province

貸し切りで予約可能で、最大8名まで宿泊可。

 

 

参考文献

www.reddottours.com

archnet.org

 

【バワ建築】国会議事堂

①【国会議事堂(National Parliament)】

バワ建築でまず最初に紹介したいのはなんといっても「国会議事堂」です。

スリランカの首都スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテに存在する建築物で、

このブログの最大のテーマであるJ.R.ジャヤワルダナさんと接点のある作品です。

 

1979年、JRさんは入札で国会議事堂を作る人を呼びかけず、ジェフリー・バワ氏に直々に国会議事堂を設計するように依頼をしたそうです。

バワ氏はJRさんと交流があったと言われており、このやり取りからも2人が大きな信頼関係を築いていたことが想像できます。

この建築が2人をつなぐ象徴的な場所と言えるのではないでしょうか。

 

また、建設委員会が1972年に発足し、日本の企業(三井建設)が建設を担っており、改修工事も日本企業の協力が進んでいます。

建設資材も日本から多くを輸入したそうです。

「アジアのどの国も親近感をもってもらえるような建物」をコンセプトにバワは設計を担いました。

日本とスリランカをつなぐ重要な場所とも言えるでしょう。

 

※事前に連絡をすれば内部見学もできます。

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引用元:プレジャーハンターの旅日記

 

 

Informationインフォメーション

[アクセス]コロンボから車で約15分

[料金]無料(パスポート提示あり)

Google Map]

 

 

参考文献

lankanewsweb.net

平成26年9月7日 日本スリランカ・ビジネス・フォーラムにおける安倍総理スピーチ | 平成26年 | 総理の演説・記者会見など | 記者会見 | 首相官邸ホームページ

スリランカの国会議事堂を見学 - 旅倶楽部「こま通信」日記

 

ジェフリー・バワ

観光客として諸外国を訪れる際、世界遺産は最も一般的で人気な観光地だと思います。

 

しかし、ここからは個人的にオススメしたい観光地と、このブログの最大のテーマである”JR”さんと関わりのある人物を紹介していきたいと思います。



 

【ジェフリー・バワとは(Geoffrey Bawa)】

みなさんは「ジェフリー・バワ」という人物をご存知でしょか??

建築に興味を持っている人はもしかしたら知っているかもしれませんね。

20世紀の建築界において、アジア人建築家の中でも最も影響力のある人物の一人で、数多くの作品を残している建築家。

それがジェフリー・バワ氏です。

f:id:srilanka-jr-japan:20170221095603j:plain引用元:*Travel Note*

 

アジアンリゾートで数多く見られる”アジアならでは”のリゾート建築スタイルの源流を作った人物が、スリランカを代表する天才建築家”ジェフリー・バワ”であることは、実は日本ではまだあまり知られていません。

 

バワ建築の特徴は、それまで外界と建築内部を塀や壁で仕切り、外敵や厳しい自然から人間を守ることを一つの主目的とした西洋建築に対し、

その地域の建築素材を活用し、屋外と屋内の連続性にこだわった開放的な空間造りをすることで、建築と地域の自然や風土・文化の共存や融合主目的とした建築コンセプトを生み出したことにあります。

このようなバワの建築コンセプトは、多くの建築家とインテリア・デザイナーに大きな影響を与えたとされています。

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2003年に享年84歳でその生涯を終えたため、現在はご本人に会うことは不可能ですが、スリランカには、バワの作品が今なお数多く残っており、現在でもその建築物を見に行くことは可能です。

実はバワ氏はJRさんととても強い信頼関係を築いており、今後紹介する彼の作品はJRさんと関係性の強いものがあります。

 

 

【ジェフリー・バワ略歴】

1919年7月23日コロンボ生まれ。

イギリス人とムスリムの間に生まれたバーガー(混血)の法律家の父親と、ドイツ・スコットランド・シンハラ人の血を引くバーガーの母親を持つ、エリート一家次男

 

幼少期から旅好きの母親に連れられヨーロッパや中国他アジア諸国を旅する。

父親と同じ法律家を志し、1938年19歳で英国のケンブリッジ大学に留学。

1946年1月、27歳でコロンボに戻り法律家として働くものの、11月セイロンに愛想を尽かし、ペナン・インドネシア・フィリピンを経由して米国・ヨーロッパを周遊。

 

1948年にイタリアに気に入ったヴィラを見つけ身を落ち着けようとするも、資金面を考慮してコロンボに戻る事を決意。

帰国後、イタリア風の庭園に英国風のカントリーハウスを建てようと、水辺の土地を探し始め、南西海岸に位置するベントータの土地(ルヌガンガ)を購入する。

 

ルヌガンガに自分が思い描いた庭園と家を建てるため、また他の人々のために家や庭園をデザインする夢を描き建築家になることを志す。

 

コロンボの都市計画に関わっていた英国の建築家Herbert Henry Reidのアシスタントを経て、1952年秋にケンブリッジへ戻り家庭教師を付けて土木工学と構造設計を学び、1954年5年生のロンドンの建築学校Architectural Association Schoolの3年次へ編入。1957年、38歳で建築家としての資格を得る。



次回のブログでは、彼の残した作品のなかで主な作品、そして「JRさん」「日本」という点で接点のある作品を紹介していきたいと思います!