JRジャヤワルダナさんの物語 〜もうひとつのJR〜

スリランカの元大統領、JRジャヤワルダナ(Junius Richard Jayewardene)さんの幼少期や学生時代、家族の話、仏教へ改宗した話などを知ることができます。現地取材や伝記を翻訳した情報など、日本で最もジャヤワルダナさんの情報を知ることができるサイトを目指しています!

ジャヤワルダナさんの専門学校時代

この記事はChapter 4 JRジャヤワルダナさんの大学とロースクール生時代(1925-1932)の専門学校時代のお話。

ジャヤワルダナさんの専門学校時代

JRさんは専門学校に進学すると、より一層法律業務に関わっていきます。

大学卒業後、専門学校に3年間通いましたが、その間父親ウィルフレッドさんの秘書役を続けました。業務の後半、裁判所が開廷中で父親が地方に向かっている間、JRさんは父親に代わってオフィスに居ることが多かったようです。

JRさんの日記には、1928年の秘書役として務めた職務の一部が記されています。

開廷に先立った宗教的な慣習で、Anglican(アングリカン教会の神父)である ”祭司”に感謝の意を送る手続きや、政府補佐官代理人、地元の刑務所訪問の組織運営化などの行政的なもの、地方裁判所の、特に彼の父親が主宰していた裁判所の店舗を調査する雑用などなど、これらすべては、通常の秘書的および事務的業務外の仕事だったようです。

弁護士を目指す多くの学生がやっているように、こうやって働きながら学び、日本のインターンのようなものですが、しっかり給与は出ていたんですね。

学生のほとんどがアルバイトやフルタイムの勤務をしており、専門学校の日々をサポートしてきました。

JRさんがしていたような法律業務に定期的にコンタクトを取るような経験は、客観的に見ると他の学生より多くの貴重な経験を積んでいる感じもしますが、実際のところ優位性はほとんどなかったようです。

 そんな法律業務をこなす一方で、JRさんは専門学校でも功績を残しています。

ジャヤワルダナさんの専門学校時代の功績

専門学校での講義への出席は、大学とは違って厳しくなかったようで、これは当然、最高裁判所判事の秘書役というJRさんの立場的に都合が良いものでした。JRさんは、講義や法律業務以外の活動にも、例えばアマチュア演劇に熱心に参加するなど、多くの時間を割いていました。しかし、どれもJRさんの勉学に深刻な影響を及ぼすことはなく、学校の試験にも問題なく難なくこなしていきました。

さらには、1929年6月行われた年1回のスピーチコンテストで、JRさんは見事に最優秀賞を勝ち取り、また同じ年にJRさんが提出した論文がWalter Pereira 賞を受賞しています。

Walter Pereira 賞がどれほどすごい受賞なのかは分かりませんが、この両方の賞を同じ年に受賞した人はこれまで誰一人といなかったそうです。それくらい特別なことでした。法律業務もこなし、学校の試験も問題なく、プライベートでも色々と活動して、さらには、スピーチコンテストと論文で賞を取っちゃう。本当に何でもできちゃう出来杉くんだったようですね、JRさん凄すぎます!

ちなみに受賞した論文は「キャンディ地区での結婚に関連する法律と慣習の複雑さについて」(本文抜粋→legal research with an essay on the intricacies of the customs and laws relating to marriage in the Kandyan areas of the country

(※受賞論文はCaylon Law Student Magazine、Vol 1 No 6,P19〜25,1930年6月号記載)

 

☆☆以下本文と直訳 ※英文は途中まで☆☆

Dick was three years at the Law College during much of which he was, as we have seen, private secretary to his father. The duties of that latter office occupied much of his time when the Courts were in sessions, and a great deal of it when his father went on circuit to the provinces. There is in his diary for 1928 a note on some of the duties he was called upon to perform as private secretary on such tours of duty. The town was Chilaw.Among his obligations were the formalities of thanking the "priest" - an Anglican padre - for the religious service that preceded the sessions, and the Assistant Government Agent for his 

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 ディック(JRさん)はLow Collegeで3年間滞在していましたが、私が見てきたように、彼は父親のプライベート秘書役でした。その業務の後半、裁判所が開廷中の時に彼の時間の多くはオフィスが占めていたが、その大部分は彼の父親が地方に向かっている時でした。彼の日記には、1928年に職務遂行のために秘書役として務めた職務の一部が記されています。

町はChilawでした。彼の義務の中には、開廷に先立った宗教的な業務のために、Anglican(アングリカン教会の神父)である ”祭司”に感謝の意を送る手続きがありました。また、彼の業務のための政府補佐官代理人、地元の刑務所への訪問を組織化するなどの行政的な性質のもの、地方裁判所の、とりわけ、彼の父親が主宰していた裁判所の店舗を調べる雑用などがありました。これらすべては、彼の事務所の通常の秘書的および事務的業務外のことでした。こうして研究と雇用を結びつけて、ディックはほとんどの法学生がやったことをやっていました。それらのほとんどは、パートタイムやフルタイム雇用でLow Collegeの日々をサポートしてきましたが、ディックがしたような法律制度の仕組みに定期的にコンタクトを取った役職の優位性はほとんどありませんでした。

 Attendance at lectures at the Law College was not as strictly enforced as at the University College and this naturally fitted in comfortably with the requirements of his position as private secretary to a Supreme Court judge. There was also plenty of time for other activities, including the varied social life described earlier in the chapter - participation, enthusiastically, in amateur theatricals for instance - all of which did not seriously encroach on his studies or affect the pace at which he took his examinations at the College. These latter he took in his stride. Apart from these there was also the annual oratorical contest at 

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 Low Collegeでの講義への出席は、大学と同じように厳しくは施行されていませんでした。これは当然、最高裁判所判事の秘書役である彼の立場にとって都合がよかった。他の活動にも多くの時間を割いており、この章の早くに説明した多様な社会生活、例えば、素人の演劇の熱心な参加など、そのすべては彼の勉学に深刻な悪影響を及ぼさず、彼が大学で受けた試験にも影響がありませんでした。後半は彼は難なく処理していきました。これらとは別に、Hector Jayewardene(JRさんの弟)を記念して、彼の父親からの贈呈される金メダルのためのカレッジでの年1回の演説コンテストもありました。彼は1929年の6月にその賞を勝ち取りました。同じ年に、「法的研究とキャンディ地区での結婚に関連する法律と慣習の複雑さについて」の論文がWalter Pereira賞を受賞しました。(※彼が提出した受賞論文はCaylon Law Student Magazine、Vol 1 No 6、1930年6月、19〜25ページ)

両方の賞を同年に受賞した人はこれまでいなかった為とても特別なことでした。

※(JRさんの弟ヘクタージャヤワルダナ

参考文献:https://en.wikipedia.org/wiki/Hector_Alfred_Jayewardene

    :https://www.wikitree.com/wiki/Jayewardene-6

 

ジャヤワルダナさんの物語の概要はこちらから↓

srilanka-jr-japan.hatenablog.com

 

Chapter 4 JR ジャヤワルダナさんの大学とロースクール生時代(1925-1932)の他の話は↓こちらから。

srilanka-jr-japan.hatenablog.com